eat with season
料理研究会と食のコラム
畑をはじめました。
前々から近くで探していたシェアタイプの畑が、コロナ禍と同時に空きが出て、家族にとって念願の畑を借りることになりました。
畑は、自宅から自転車で10分くらい(歩くと20分くらい)の場所です。しかも、この東京でなんと一度も人が住んでいない、これまでずっと樹園だった土地。長年の自然な腐葉土でできたその土壌はとても豊かで、日当たりも良く、このタイミングでこの畑を借りることができて、とても幸運でした。
コロナ禍の最初の頃、不安で何もできなかった頃、息子は一年生になったのに学校も始まらず…というそんな時期、ちょうどそのタイミングだったので、私たち家族は、毎日のように畑に行って種をまき、手入れをして、絵日記を書いて。目が出て、伸びて、収穫してが全て喜びで、(これを畑と言ったら笑われてしまうくらいの小さな家庭菜園ですが)畑は家族にとってとても大切な場所になりました。
小さな小さな種が、芽を出して食卓に並ぶ。なんとも感動します。食で人を感動させる、ってやっぱりここが原点だな、と思います。
畑をやってみたい、と思ったもともとのきっかけは、農業に関わるブランディングのお仕事をさせていただいたことでした。
農業は自然との戦い、力強くも、待った無しの世界。ただただ「すごいなあ…」とシンプルに感じる経験をさせていただいた昨年。
今回、自分で種から野菜を育ててみて、本当にすごい世界だなと感じます。これからの食時代を牽引するものがなんであれ、何といっても自国の“農業力”や生産者の考え方は大きな価値となり、どこで誰が作った野菜か、どんな肉か、チーズか、というところが、今まで以上にポイントになってくるのではないかと感じてます。
“スローフード”再熱。
2020年6月15日