

1年前から、ベーグルを開発するお仕事があって、1年間、東京にいるときはとにかく日々ベーグルを焼きました。
ベーグルを初めて食べたのは、もう20年くらい前でお金もない旅先のNY。最初は注文の仕方さえよくわからなかったけど、次第にベーグル屋さんに行ってあれこれ選んで、店員さんと少し話して挟んでもらうのが楽しくて。ベーグル屋さんのスタイルがとても好きだったし、近所にあったらいいのにな、と考えていました。
とにかく焼きました。cuocaに毎日行って、あらゆる小麦粉を試しました。日によってこんなに違うか、と思うほど水分の温度や加減、時間、室温、湿度に左右されました。どうにも失敗して捨てたこともあります。食べきれなくて、ご近所さんにも試作途中のものを何度も食べてもらったり。結局1年を通して、どんな日も作ることで、その加減を熟知するができる。たくさんの人に食べてもらって、おいしかったかな、硬かったかな、細かいことを気にして気にして、細かな向き合いが生まれる。でも大切なのは、自分がどこをこだわって、目指しているかどうか。私のベーグルは、もっちりだけど硬くないです。「この感じ」という全くロジカルじゃない世界。合格点も、完成も、到達点に達したかどうかは感覚だけ。ピッツァイオーロ、パン職人、蕎麦職人が、料理という枠とはまた違う分野で、また違う感覚を使う仕事なんだなということを、身をもって理解した経験でもありました。
あれから一年半経って、私のベーグルも研究を経て美味しくなりました。一周回ってこの季節になりました。部屋中に広がるベーグルの焼ける香りと、その合間に飲むコーヒーの香り、何気なくかかったノラジョーンズに作り初めの頃を思い出す。新緑がそよぐバルコニーの空気。穏やかで平和な朝。幸せな朝。幸せな香り。
今朝、上手くできたベーグルは、初めて福井の両親に送ります。


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