eat with season
料理研究会と食のコラム
何か一つ大きな案件が終わると、私は好きなお蕎麦屋さんに行きます。
つい一昨日、無性に永坂更科 布屋太兵衛さんのお蕎麦がたべたいな、と久しぶりに事務所近辺から少し足をのばして麻布十番まで。
こちらの天麩羅は絶品。鴨せいろも素晴らしく美味しいです。注文したのは天麩羅せいろ。
わずかな食事の時間に、こんなに癒されるのか、と私自身、久しぶりに「美味しい癒し」を体験しました。
芳醇なつゆの香りと味、天麩羅の絶品さ。
もちろんコロナ禍で以前より気軽に食べ歩きができなくなったこともありますが、「今日来れて良かった。嬉しかった。」それ以外の言葉では表現できない特別な満足感がありました。
飲食店には非日常のエンターテイメント性ともう一つ、大きな柱があって、
それは、“癒し”だと私は思ってます。
サービスを受けることの心地良さ、安らぐ空間、道具使い。
美しく盛りつけられた盆の中、ほどよい味付け。
ミシュランの3スターの価値として、そのお店に行くためだけに旅をする価値があるかどうか。というジャッジ項目があります、
それはもしかしたら大げさかもしれませんが、選ばれる店とは、結局そうなんだと思います。
来てくれたお客様に、「今日来れて良かった。嬉しかった。」と毎回満足に感じてもらえるかどうか。です。その繰り返しができるかどうかなのだと思います。
これまで、お店を企画する時に、 “楽しい” “美味しい” “かっこいい” を3大テーマにしてきましたが、
近年では“美味しい” “嬉しい” “やさしい”をキーワードに私自身も変換しつつ、自分の仕事も、また同じく選ばれるように、そのスタンスを感度よく柔軟に構えていかねばならないなと改めて感じる、久しぶりの良いお蕎麦時間でした。ご馳走様です。
2021年1月28日