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手仕事の大切さ

スローフードの要素として、「不が無い食卓」という私なりの定義があります。
安心、安全、というだけでなく、健康的で楽しい食事、そして手軽であること。
食べる方も、作る方も疲れてしまうような食事は、モードではありません。

しかし、一方で「季節を感じること」や、
日々の気候や空の雰囲気さえもその日の食卓にそっと添える繊細さや、五感性という部分はより研ぎすまされていく、
そこに、食や、レストランのレベル評価、価値、が求められる時代です。

引きこもり生活で、季節の仕込みものを楽しむ人も増え、
もはやインスタ“映え”は、見飽きつつある派手派手しい不思議に作られた食卓の世界観ではなく、
知的活動ともいえる食卓風景の方が、ある意味での“映え”指示を得てくるでしょう。

そんな中、既製品ばかり使用している飲食店は、そろそろ厳しいと私は思います。
季節のエレメントをしのばせる技術、
それは、季節季節の丁寧な手仕事が教えてくれます。
バーテンダーなら自分でリキュールの一つでも作りなさいよ、という時代。
企画をする時にも、できることは何でも手づくりした方がいいですよ、と私はお伝えしてきました。

手づくりのあったかみや、こだわりを超えて、
今の、今を逃すともう1年間それを仕込むことができない、そこに魅力があるのです。
一年中同じことを繰り返しても、それが良いというレストランももちろんありますが、
ランチが1200円以上するレストランではもう鈍感な食材使いはNGだと思います。
また、それができる料理人と、そうでない人で、お店自体、
これからの、ポジションがお大きく変わって来ることでしょう。

先週は、実山椒をたくさん仕込みました。
今夜は、シチリアの辛口の白と、鮎の山椒オイルコンフィ。
ひきたてのカツオ出汁に山椒醤油煮を一たらし。
これだけで、このじめじめした季節の青白い夜空にぴったりきます。




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