eat with season

料理研究会と食のコラム

糸島から唐津の旅vol.2

遠田明子のブログ

もうここにいつか行きたいと願って、15年以上立ってしまったけれど、やっと来ることができました。唐津の「洋々閣」さん。伝統や優しさ、おもてなしが心に沁みわたった、そんな体験をさせていただいた一泊でした。
着いてすぐに歩いて散歩に行った砂浜。虹の松原が横手に雄大に広がって、向こうの浜には制服の高校生たちがいて。のどかで、広い。
田舎なのですが、行ってみたい飲食店もたくさんあります。ただし、やっと来れた洋々閣さんでお料理をいただかないなんてもったいないことはできませんので、もちろん夕食はお宿でゆっくりと。夏の特別メニュー「虎魚コース」をいただきました。

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こちらのお料理、素晴らしい、美味しい、素直にそれしか感想に出てこない。
インスタ意識はもちろん、見た目だけの料理、トレンドやモードの追いかけっこしてる飲食店にはもう飽きてましたし、都会から田舎に来て、家族でリラックスして過ごすバケーションにはそんなプレゼンテーションはいらない。こちらのお料理は、器の素晴らしさ、素材の素晴らしさ、全てに食べるという楽しさが沸き起こるような、これ食べてみての意思が伝わって来ました。おこぜの刺身のたっぷり感、まるごと煮付けた桜鯛、ハイライトがいくつもやってくる。あちこちから取り寄せたもののパッチワークではなく、ここでしか食べられないものを丁寧に味わわせていただきました。朝ごはんも、素晴らしかった。20年以上も食べ歩いて、そうだねこれが正解、美味しいね、と気付かされたことがたくさん。

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何回でも訪れたくなる場所って一回で行ききれないところがあって、その総合的なブランド力を持つ場所でした。もしこの宿に泊まらなかったらこんなにここが好きになってはいないだろう、小さなお城と、海しかない不便でいくにも時間がかかる、そんなところです唐津は。でも、美味しい場所と印象付ける見せ方が唐津は上手いなと感じました。こんなに素晴らしい洋々閣が「次来たらぜひぜひ行ってみて」とおすすめする寿司店って、どんなに素晴らしいんだろう、また来なきゃ、と思う。
唐津焼で食したお料理の素晴らしさ、器をもっとみたい、持って帰りたい、と欲を掻き立てられる。
地方は、元からあったポテンシャルを活かす。いいものをさらに磨いて、そして束で見せていくことがとても大事なことです。土地の魅力は自然だけでは成り立たない。一つのすごい宿やレストランがあっても一回で十分と他の選択肢に次回は負けてしまう。京都も鎌倉もそうですが、何回でも行かなきゃ、と思う。地域のブランドは、ある意味ブランディングされた魅力的な商店街を築くようなものなのかも。個々の商店が点でばらばらだったり、どれも魅力がいまいちだったり、あるいは自分のところの勝手な思想で一店舗だけが流行ってしまうと、その色に流されてしまったり。全てでなくても、目立つ1つ1つの店がブランドに沿って丁寧に完成されたものであること。毎回同じとこしか行ってなくても、また行きたい、今度はここへ行こう、リピートする場所はその土地がビジターの中で殿堂入りしていくということ。リピートされるお店のメニュー構成と似てるなと思います。

念願の洋々閣、気候も良く素晴らしい滞在となりました。宿のご主人はじめ、接客も品よく、ユニークでとっても心地よい。こんなに有名な歴史ある旅館なのに、一歩館内に入ると田舎のお家に来たような馴染む感じ、自分たちだけが遊びに来たような空間のたっぷり感。その場その場での最良の接客。マニュアルではなくて人と人。こんな快適で居心地のいいいアットホームな宿は、日本では初めての経験でした。家族経営で、5代目すごいなあ。女将さんは本物のお母様。そこらの旅館やホテルとは厚みも居心地もまるっきり違う。「また来ます」ってご主人に言うと、「あんまり先だともうなくなってるかもしれないのでね、どうぞ早めにお願いします。」って返ってくる。「わかりました」ってもう約束した感じ。家族にとっても素敵な出会いと思い出になりました。

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月と日カフェ in 自由が丘
月と日カフェ|Amond
月と日カフェ
医食同源の考え方や、二十四節季の暦より知恵をいただき食の探究をしてきました。
旬の野菜や季節の食を囲んで、体調を整えることができたり、また楽しい時間にこころもほぐれるような、食卓をお届けできれば幸せです。えんがわさんのお庭を眺めながら、ゆったりとした朝と、楽しいお昼のひとときをご一緒できればと思います。(不定期開催)オープン日は、instagramにて告知します。

えんがわinnさんにて/自由が丘駅南口より徒歩10分