ONDtable

Life with delicious foods and happy table...

春のお弁当

遠田明子の料理研究会_簡単で嬉しい季節のお弁当

牛しぐれ煮
北海道の銀鮭の粕漬け
出汁巻き玉子
いちご

まだ肌寒い季節、脂ののったお魚の粕漬け、生姜の風味の甘辛のしぐれ煮で、ごはんがすすむお弁当。

……………………………….

お弁当を作る時、空けた時「嬉しいな」と思ってもらうことが、何より作り手としての信条であります。
こうやって写真を見ても、いつの季節だったかがなんとなく見て分かるお弁当は、
お弁当のフタを空けた瞬間に、まずなんとなく嬉しいしものです。
人にとって、季節を知らず知らずのうちにでも味わうことは、喜びなのだと思います。
それは、小さい子どもにとってはよくわからないことでも、
きっと、大ざっぱに区切られた食材の四季分け図を見た経験による知識としての食材の旬というよりも、
五感で感じることができる繊細な感覚として、積み重なっていくものだと思うのです。
私は自信を持ってそう思っています。

私はお弁当に冷凍食品を一度も使ったことがありません。
冷凍食品が悪いということではなく、便利な食材だと思います。

ただ、私は、このお弁当は、幼少期の子どもとの貴重な対話の一部だと思っているからです。
自分が、今、この季節に、この日に食べたい味や、食材を。
そして、空けた時にふわりとでも「おいしそ」と思ってもらいたい。
その気持ちのほんの少しが、静かに毎日のお弁当に込められています。

子どもの感受性や味覚はとても繊細で、そして変化もします。
私の息子は、野菜は何でも食べることができますが、少食です。
今は少しずつ食べられるようになりましたが、肉は4歳まで食べることができませんでした。
子どもにとっては可愛くない曲げわっぱのお弁当が、お友達のと様子が違うのでしょうが、
園でのお弁当の時間の写真に、フタを開けて嬉しそうに微笑む様子の息子の写真があって、
なんとも言えないありがたい気持ちになりました。
なんやかんやある子育ての中、こうやって、日々お弁当を食べてくれて嬉しいです。

お弁当作りは、難しく考えず、空けた時に「嬉しい」かどうか、
そして、食べ手との対話を楽しむように。それが大事だよ、と思います。

Past